あまり知られていないだろう、おしらじの滝トリビア色々。
・「しらじ」は「壺」「すり鉢」のこと
とあちこちのおしらじの滝ガイドにて説明されていますが、地元のお店ですり鉢を購入しようとして「おしらじありますか?」と聞いたとしても、全く通じないのでご注意ください。栃木県北方言というわけではありません。北関東から東北にかけて使われることがある、らしいのですが、とりあえず私は年寄りからすらこの単語を聞いたことがありません。地元では一人も使っていないのが実態です。
・おしらじの滝の命名は地元民ではありません
そもそも地元民にすら「滝」として認識されていなかったので、知っている人も「すり鉢池」「雨乞い池」などと呼んでいたようです。命名者は塩原温泉好きで足繁く通っていた京都の人です。だから地元民が聞いたこともない「おしらじ」なる単語が出てきたんだと思います。
・素廉の滝
おしらじの滝のご近所にある素廉の滝。この滝こそ昔から何の名前も付いておらず名無しの滝だったのですが(このへん滝はいっぱいあるからね)、いつの頃からかこの名で呼ばれるようになりました。実は「素廉の滝」は元々、おしらじの池の滝の名前として上記の京都の人が名付けたものです。本当は「素廉の滝=おしらじの滝」なのですね。それが誤解されて、現在は別の滝の名として認識されたのが固定したもののようです。なので古い文献には、今で言う「おしらじの滝」は「素廉の滝」の表記で写真が載っています。
・地元民にも知られてません
矢板市内では誰に聞いても「テレビで騒がれるようになるまで、そんな池と滝があるのなんか知らなかった」という答えが返ってきます。塩原温泉で聞いても同じでしょうね。なにしろ、どこの市街地からも遠いんですよ。矢板駅からは約23kmだそうです。冬季は路面凍結等で危険ですから、道路自体が封鎖されています。冬季は周辺の封鎖されていない道路であっても、スタッドレスもなしで乗り付けるのは危険です。それなりの装備でお願いします。
おしらじの滝周辺は日光国立公園内の八方ヶ原というところです。5−6月のつつじ咲くシーズンの他は、登山客くらいしか見かけない静かな山です。よほど山好きでもなければ、この滝を知らないのも当然です。でも季節にはつつじがきれいですし、冬もスノーシューを貸し出したりしています。私は紅葉シーズンに行くのが好きですね。登りがいがある山でもありますから、山好きの方はぜひ登ってみてください。
・滝は年間平均15日程度見ることができます
LINEあたりで大々的に宣伝されましたので、もしかして滝が見られるんじゃないかな?と期待して、はるばる訪ねていらっしゃる方が多いですよね。しかしながら、見れる確率は365分の15です。雨の多い年なら見れるチャンスが増えるのですが、通常はよほど運がないと滝なんかありませんので、ないからと言ってがっかりしないでください。伊達に幻の滝と呼ばれているのではないです。それだけに、見れれば強運ということでもあります。せっかくですから運試しと思って何度もチャレンジしてみてくださいね!
・どうして滝壺が青く見えるのか
光の具合です。つまり物理的理由です。でも深緑に見えることのほうが多いんじゃないかな。青く見えるかどうかは本当に運次第なので、日頃の行いに気をつける位しか対策がないですねー。
お隣のスッカン沢が「百群」色に青く見えるのは別の理由、化学的理由です。観光パンフレットなどではこの川の水を舐めると「酢っ辛い」が転じて「スッカン」沢になった、と説明されていますね。火山性の岩石の成分が溶け出して水が酸性になっているもののようです。青いのは何らか金属イオンの色と思われますが、細かい成分まで調べがつきませんでしたごめんなさい。のでスッカン沢には魚が住むことができませんが、おしらじ池の水は普通の水ですので、お魚さんも住んでいるようですよ。